図書館戦争「有川浩」口コミ感想

図書館戦争との出会いは本ではなく映画でした。本も有名な作品で読みたいとは思いつつも、「戦争」という言葉から連想される重さを毛嫌いして、手を付けられずにいたのです。しかし、そんな図書館戦争が映画化されるということで、V6の岡田准一さんの華麗なアクションを目当てに映画を見てみたのです。見て驚きました。確かに銃器まで使った激しい戦いがある一方で、恋愛あり、コメディあり、作者である有川浩さんの本に対する愛情ありで、とても楽しめたことはもちろん、有川浩さんが本の読者に考えてほしいと思っているメッセージを感じたのです。すぐに本屋で図書館戦争を購入して読みました。読んだら止められず、この本だけではおわらず、シリーズ第4弾の図書館革命までの4冊を一週間もしないうちに読み切りました。それだけ、私の心をつかんで離さなかったのです。先ほども書いた有川浩さんのメッセージとは何だったのか。それは図書を守りたいという人たちと、図書を狩ろうとしている存在との戦いは、この本の中だけのものではなく、今も現にあるのだということ、それを読者も一度考えてほしいというものではないのかと思います。本編の後ろに収録されている作者・有川浩さん自身による解説でも説明されていることですが、現在でも作家をはじめとした本やマスコミに携わる人たちは、数々の制限の中で本を作っています。差別語であったり、障害者のあつかいであったり、多くの面で制限がなされているというのです。そのような現実世界の足かせを、「本を狩る検閲組織と、それらの検閲からいかなる本をも守る図書隊との戦い」という極端に検閲状況を誇張した舞台を描くことで、読者に知らせようとしているのだと、私はそう思いました。そのため、この本を読むと、自由に本を書きたいという作家さんの純粋な創作への思いや、法では表現の自由が守られているにも関わらず現実では守られていないという憤りが伝わってきます。普通ならば「言論の自由の弾圧」や「検閲」というと、とても重苦しく、時には固く難しい内容になってしまい、読む人を選ぶ作品、読者が手を伸ばしづらい作品になってしまうでしょう。しかし、図書館戦争のすごいところは、まるでお饅頭のように、「表現の自由との戦い」というずっしりとした内容を、ラブコメディという甘く柔らかい皮で包み込むことで、読者が読みやすく、わかりやすく、楽しめてしまう作品に仕上げているということです。図書館戦争は戦闘小説ではなく、誰もを胸キュンさせる恋愛小説、それもラブコメなのです。だから軽く読めるし、次々にページをめくってしまいます。図書館戦争はとても不思議な作品です。ラブコメの軽さを持ちつつも、心に残るのはずっしりと重い有川浩さんの切実なメッセージなのです。

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口コミ感想2

私が図書館戦争に出会ったのはアニメがきっかけです。人から勧められたことと、アニメを手がけていたのがプロダクション I,Gという私の好きなアニメを作る会社だったこともあり見ることになりました。映像も良かったのですが、何よりストーリーが素晴らしいと思い、そこで初めて原作の作者の有川浩さんの存在を知りました。彼女の作品をもっと読みたいと思ったのです。
それ以来、有川浩さんの小説をたくさん読んできましたが私の中ではやはり図書館戦争がダントツで好きです。近未来が舞台の恋愛小説のジャンルに位置付けられていますが、表現の自由について取り扱う社会的な問題は今現在の問題とも深く絡み合い、様々な立場の考え方や感情が描かれています。
有川浩さんはデビュー作からの3作が『自衛隊三部作』と呼ばれるほど、作品に軍隊が出でくる内容が多い方です。図書館戦争でも本の保存と表現の自由を守る図書隊に主人公達が属していて、検閲の為には銃器まで使用する相手と戦う内容も多く描かれています。1つの法律が制定されてしまったことが物語の背景で大きな変化をもたらしていて、それは今の日本とは違うパラレルワールドの設定ですが、どこかリアルさを感じる、そんな文章の作り方が素晴らしいです。
そんな軍隊色の強い図書館戦争ですが、活字の苦手だった私でも大変読みやすく感情移入しやすい小説です。主人公たちが頭の中で実際に動いているようです。有川浩さんは女性の方ですが、男性の描かれ方もとてもリアル。頭が固いだけの上司だった相手にどんどん引き込まれていきます。一度読んだ小説を何度も読み返すのは有川浩さんの作品だけです。その中で図書館戦争はまだまだ続きが読みたい、完結されて何年たってもそう思ってしまう作品です。

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